理学療法士必見!就職先選びで失敗しないための5つのポイント

理学療法士必見!就職先選びで失敗しないための5つのポイント
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「今の職場でキャリアアップできるだろうか」「もっと自分に合った環境があるのでは?」

そんな悩みを抱えながら日々の業務に追われる理学療法士の方は多いのではないでしょうか。理学療法士の数は急増し、2026年にも供給が需要を上回ると予測されています。

もはや「資格があれば安泰」という時代は終わり、数ある選択肢の中から自分に最適な職場を「戦略的に」選ぶ視点が不可欠です。

多くの理学療法士のキャリア相談に乗ってきた経験から言えるのは、この「職場選び」こそが、あなたの専門職としての未来を大きく左右するということです。

この記事では、病院や施設といった伝統的な職場から、一般企業やスポーツ分野といった新しいキャリアパスまで、理学療法士の多様な働き方を網羅的に解説。さらに、後悔しないための「7つのチェックポイント」や、供給過多の時代を生き抜くためのキャリアプランニングについても詳しく掘り下げます。

この記事を読んでわかること
  • 病院や施設、一般企業などのキャリアパス
  • 職場選びの5つのポイント
  • 供給過多の時代を生き抜くためのキャリアプランニング

この記事を読めば、漠然とした不安が解消され、自信を持って次のステップに進むための具体的な行動計画が見えてくるはずです。

目次

【5つの秘訣】理学療法士が自分に合う職場の見つけ方

【5つの秘訣】理学療法士が自分に合う職場の見つけ方

多様な選択肢の中から、自分にとって本当に良い職場を見つけるためには、明確な判断基準を持つことが重要です。ここでは、失敗しないための5つのチェックポイントをご紹介します。

  • 対象者と分野を明確にする
  • 給与・福利厚生を徹底比較する
  • 教育制度とキャリアアップを見極める
  • 職場の雰囲気や人間関係を調査する
  • 長期的な視点で将来性を考える

ポイント1:対象者と分野を明確にする(得意を活かす)

まずは「誰を、どのようにサポートしたいか」を自問しましょう。

高齢者の生活に寄り添いたいのか、アスリートのパフォーマンス向上に貢献したいのか、子どもの発達を支援したいのか。自分の興味や得意分野が明確になれば、目指すべき職場はおのずと絞られてきます。

ポイント2:給与・福利厚生・待遇を徹底比較する

長期的に働き続けるためには、待遇面の確認は欠かせません。給与はもちろん、昇給制度、賞与、休日数、有給休暇の取得率、社会保険、退職金制度などをしっかり比較検討しましょう。特に、ライフステージの変化を見据え、産休・育休制度や時短勤務の可否なども確認しておくと安心です。

スクロールできます
項目病院クリニック介護施設
平均給与400万円350万円300万円
福利厚生充実普通やや充実
労働時間長め短め普通

※上記はあくまで一般的な傾向です。施設により条件は大きく異なります。

ポイント3:教育制度とキャリアアップの可能性を見極める

あなたの成長意欲に応えてくれる環境かどうかも重要なポイントです。新人研修や院内勉強会の有無、資格取得支援制度、学会参加への補助などを確認しましょう。

例えば、僕が以前働いていた病院では新人対象に月に1回は勉強会(基本動作、リスク管理など)がありました。

また、学会参加に関しては発表する場合は毎回全額(交通費・宿泊費・学会参加費)支給され、参加するだけなら年に1回3万円まで補助がありました。

明確なキャリアパスが示されている職場は、将来の目標を描きやすいでしょう。

ポイント4:職場の雰囲気や人間関係を事前に調査する

どれだけ条件が良くても、職場の雰囲気が合わなければ長続きは困難です

エル

結局退職する理由の多くは人間関係なんだよね

施設見学や面接の際に、スタッフの表情やコミュニケーションの様子を観察しましょう。可能であれば、口コミサイトで現職・元職員のリアルな声を確認するのも有効です。

転職エージェントを利用する場合は、職場の雰囲気などの内部情報も教えてくれるため、環境を重視する方は登録することをオススメします。

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ポイント5:長期的な視点で将来性を考える

目先の条件だけでなく、その職場、ひいては業界全体の将来性も考慮に入れましょう。

特に、これから需要が高まる分野(例:介護予防、在宅医療、自費リハビリなど)での経験は、あなたの市場価値を高める上で有利に働く可能性があります。

例:僕のキャリアについて

僕の場合、急性期病院から教員になったときには以下のように考えていました。

対象者と分野

「内部障害の理学療法に関わる仲間を増やしたい」というのが僕の気持でした。臨床は大好きだったけど、内部障害に関わってくれるPTをもっと増やしたいと思い、教育の現場から興味を持ってもらえるように関われないか考えていました。

給与・福利厚生

大学は助教・講師・准教授・教授と職位が分かれています。助教では臨床時代と給与はあまりかわりませんが、講師・准教授と昇格することで大幅な給与upが見込めました。

また、裁量労働制だったため、働く時間をある程度自分で決められるのも魅力でした。そのおかげで子供のお迎えや習い事の送迎ができるようになります。

教育制度とキャリアアップ

教育制度は決まったものはありませんでした、職位があがれば給与upが見込めること、研究に費やす時間が増えることで外部に出る機会が増えるのが魅力でした。

職場の雰囲気や人間関係

大学には知り合いの教員がいたので、雰囲気は事前に聞けました。

長期的な視点で将来性

臨床にずっといても技師長になったりするのは一人ですし、マネジメントをするイメージがあまりわきませんでした。

養成校も定員割れしてきていますが、生き残るよう努力すれば将来的にもやりがいのある仕事だと思ったんです。

まずは知ることから!理学療法士の多様なキャリアパス

理学療法士の多様なキャリアパス

理学療法士の活躍の場は、もはや病院やクリニックだけではありません。高齢化や健康意識の高まりを背景に、介護施設から一般企業、スポーツの現場まで、その専門性が求められるフィールドは驚くほど多様化しています 。まずはどのような選択肢があるのか、全体像を把握しましょう。

臨床の最前線:病院・クリニックの役割と働き方

理学療法士のキャリアの基盤となるのが医療機関です 。しかし、その中でも役割は大きく異なります。

  • 病院(急性期・回復期・療養期)
    • 急性期:手術直後や発症直後の患者を対象に、早期離床などを促します。
      医師や看護師との密な連携が求められる、緊張感とスピード感のある環境です。
    • 回復期:状態が安定した患者に対し集中的なリハビリを提供し、在宅復帰を最大限支援する、まさに理学療法士が主役となるステージです。
    • 療養期: 長期療養が必要な患者の身体機能の維持とQOL向上を目指し、一人ひとりとじっくり向き合います。
  • クリニック
    整形外科や脳神経外科など、特定の診療科に特化し、外来患者が中心です。
    1日に多くの患者を診るため、短い時間で成果を出す効率性と、徒手療法などの高度な専門技術が求められます。

生活を支える:介護・福祉施設での専門性の活かし方

高齢化社会において、介護・福祉の現場での役割はますます重要になっています 。

  • 介護老人保健施設(老健):病院から在宅への中間施設として、「在宅復帰支援」が最大のミッションです。
    ADL訓練や住宅改修のアドバイスなど、実際の生活に密着したアプローチが求められます。
  • 特別養護老人ホーム(特養):終身で生活する利用者の機能「維持」と、安全で快適な生活の支援が目標となります。
    介助者の負担を減らす移乗方法の指導や、拘縮・褥瘡の予防が主な業務です。
  • 児童・障害者福祉施設:子どもや成人の障害を持つ人々の発達支援や社会参加を促すため、より長期的で個別性の高い関わりが求められます。

地域に貢献する:訪問リハビリという選択肢

通院が困難な方の自宅を訪問し、一対一でリハビリを提供するサービスです。利用者が実際に生活する環境そのものがリハビリの場となるため、極めて実践的な介入が可能。

一人で業務を行うため、豊富な臨床経験と高い自律性、リスク管理能力が不可欠です。

訪問リハビリは今転職する人が多いです。理由の一つに給料がいいことが挙げられます。1件行くと○○円!などインセンティブがついているため、働いた分給料が増えやすいのが特徴ですね。

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病院の外へ:企業やスポーツ分野で広がる活躍の場

理学療法士の専門知識は、臨床現場以外でも大きな価値を生み出します。

  • 一般企業:医療・福祉機器メーカーでの営業や製品開発 、住宅メーカーでのバリアフリー住宅の提案 、企業の「健康経営」をサポートするコンサルタントなど、活躍の場は着実に増えています。
  • スポーツ分野:プロチームのトレーナーとして選手のコンディショニングや傷害予防、競技復帰を支える仕事です。理学療法の知識に加え、スポーツ科学や救急処置など高度な専門知識が必要とされます。
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供給過多の未来に備える!戦略的キャリアプランニング

供給過多の未来に備える!戦略的キャリアプランニング

「どこで働くか」と同時に「どうキャリアを築くか」を考えることが、これからの理学療法士には不可欠です。

なぜ今、戦略が必要?理学療法士の需給バランスの変化

厚生労働省の推計によると、理学療法士の数は急増しており、早ければ2026年には供給が需要を上回り、2040年には供給数が需要の1.5倍に達すると予測されています。

この「供給過多」の時代では、ただ資格を持っているだけでは十分な競争力とはなり得ません。自らの専門性を高め、他者との差別化を図る戦略的思考が求められるのです。

専門性を武器にする:「認定・専門理学療法士」という道

他者と差別化するための最も確実な戦略は、専門性を高めることです。日本理学療法士協会が定める生涯学習制度を活用し、「認定理学療法士」や、その分野のスペシャリストである「専門理学療法士」を目指すことは、自身の専門的価値を証明し、キャリアを有利に進めるための必須装備となりつつあります。

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職域を広げる:ダブルライセンス取得のメリット

理学療法士の資格に加え、介護支援専門員(ケアマネジャー)や福祉住環境コーディネーターなどの資格を取得することも極めて有効です。

特に高齢者ケアや地域リハビリの分野で、より包括的で価値の高いサービスを提供できるようになり、自身の職域を大きく広げることができます。

おすすめの資格
  • ケアマネージャー
  • 福祉住環境コーディネーター
  • アスレティックトレーナー
  • NSCA-CSCS
  • 心臓リハビリテーション指導士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 糖尿病療養指導士

独立・開業も視野に:自費リハビリ市場の可能性

公的保険の制約外で、質の高いリハビリを望む人々を対象とした「自費リハビリテーション」市場が急速に拡大しています。

この成長市場は、起業家精神を持つ理学療法士にとって大きなチャンスです 。訪問看護ステーションやデイサービスの開業も可能であり、経営者として収入向上と自律的な働き方の実現を目指せます。

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転職成功へ!具体的な就職活動の流れと面接対策

転職成功へ!具体的な就職活動の流れと面接対策

戦略が決まったら、次はいよいよ行動です。成功確率を高めるための具体的なステップを確認しましょう。

STEP
自己分析

価値観、興味、特異な事、将来の目標を明確にする

STEP
情報収集

各分野(医療、介護、企業)の働き方、役割、将来性を調べる

STEP
優先順位付け

給与、やりがい、ワークライフバランスなど、重視する項目を決める

STEP
行動

インターンシップ、職場見学、セミナー参加、転職エージェントへの相談

まずは自己分析から!自分は何がしたい?

医療・介護環境が変化し、求められる役割も多様化する今こそ、自分自身を深く理解し、主体的にキャリアをデザインしていくことが重要です。

キャリアの棚卸しと自己分析は、過去を振り返るだけでなく、経験から得た知識、スキル、価値観を客観的に評価し、将来のキャリア目標を明確にするための羅針盤となります。

自身の「強み」を認識することは、新たな挑戦への原動力となり、「好き」という感情に目を向けることは、仕事へのモチベーションを高め、長期的な満足度に繋がります。

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効率的な求人情報の集め方と見極め方

PTOT人材バンクやマイナビコメディカルといった理学療法士専門の転職エージェントの活用は不可欠です。

非公開求人を紹介してもらえたり、キャリアアドバイザーから履歴書の添削や面接対策、給与交渉のサポートを受けられたりするメリットがあります。日本理学療法士協会の求人情報も信頼性が高く、有力な情報源です。

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面接は、自分を売り込むと同時に、職場を見極める場でもあります。

志望動機や自己PRはもちろん、「これまでの経験で困難だったこと、それをどう乗り越えたか」といった質問への準備は万全にしましょう。

また、「平均残業時間」「有給休暇の取得率」「院内研修制度の具体的内容」など、働きがいや成長に直結する項目について積極的に質問(逆質問)することで、意欲の高さと職場への理解度を示すことができます 。

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まとめ

理学療法士の職場選びは、あなたのキャリアと人生を左右する重要な決断です。

市場の変化を冷静に受け止め、伝統的な職場から新しいフィールドまで、幅広い選択肢を視野に入れることが成功の第一歩です。

  • 対象者と分野を明確にする
  • 給与・福利厚生を徹底比較する
  • 教育制度とキャリアアップを見極める
  • 職場の雰囲気や人間関係を調査する
  • 長期的な視点で将来性を考える

本記事で紹介した「5つのポイント」を参考に自己分析を進め、自分だけのキャリアプランを描いてください。

そして、専門性を高める努力を怠らず、常に自身の市場価値を高めていく意識を持つことが、変化の激しい時代を生き抜く鍵となります。

この情報が、あなたの理学療法士としての可能性を最大限に引き出す、最高の職場を見つける一助となれば幸いです。

理学療法士必見!就職先選びで失敗しないための5つのポイント

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この記事を書いた人

理学療法士、医学博士│急性期病院、大学病院、大学教員、クリニック勤務歴あり│数回の転職やバイトで得た経験を元に、理学療法士が転職する道のりをサポートします!

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