理学療法士の給料は安い?年収の現実と600万円達成への道

理学療法士の給料は安い?年収の現実と600万円達成への道
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理学療法士の給料は、このままずっと上がらないのだろうか…

転職を考える多くの理学療法士が、このような悩みを抱えています。しかし、戦略的にキャリアを築くことで、年収を大幅にアップさせることは決して不可能ではありません。

この記事を読んでわかること
  • 理学療法士のリアルな年収
  • 年収600万円を目指す方法
  • 高収入への多様なキャリア

現状を正しく理解し、あなたに合った収入アップの道筋を見つけましょう。

目次

まずは現実を知る!日本の理学療法士のリアルな年収事情

まずは現実を知る!日本の理学療法士のリアルな年収事情
PTの給料の実態(厚生労働省のHPより)

年収アップを目指す最初のステップは、自身の現在地、つまり市場における客観的な価値を正確に把握することです 。

【最新データ】理学療法士の平均年収は410〜440万円

厚生労働省の統計によると、日本の理学療法士の平均年収は、おおむね410万円から440万円程度で推移しています。

例えば「令和6年賃金構造基本統計調査」では約444万円というデータがあります。これは日本の全産業の平均年収と比較すると、同程度かやや下回る水準です。

年代・経験年数でどう変わる?20代・30代・40代の年収推移

多くの職業と同様に、理学療法士の給与も経験年数や年齢と共に上昇する傾向があります。令和5年の調査では、経験0年の平均年収が約306万円なのに対し、15年以上の経験者では約501万円に達します。

しかし、注意すべきは、病院やクリニックでの一般的な臨床業務では、ある程度の年数を超えると給与の伸びが鈍化する「頭打ち感」が見られることです。

これが、多くの理学療法士が新たなキャリアパスを模索する大きな理由の一つとなっています。

職場によってこんなに違う!施設種類・規模別の給料比較

働く施設の種類によっても、給与水準は大きく異なります。

  • 病院やクリニック:公立病院は安定していますが、民間施設は給与にばらつきがあります。一般的に施設規模が大きいほど給与も高い傾向にあります。
  • 訪問リハビリテーション・介護施設:高齢化と在宅医療へのシフトを背景に需要が急増しており、給与水準が比較的高く設定されています。訪問件数に応じたインセンティブ制度により、高収入を得やすい分野として注目されています。

一般的に大学病院の給料は安いと言われています。

僕がいた大学病院も決して高い方ではありませんでした。ただし、その分多くの経験やスキルが身についたり、多職種とのかかわりの中で人との繋がりが増えていったり、福利厚生が充実していたのは大きなメリットだったと思います。

あなたの給料は適正?市場価値を測るベンチマーク方法

これらの情報を基に、ご自身の経験、スキル、勤務地、施設形態を考慮し、現在の給与が業界標準と比べてどの位置にあるのかを客観的に評価することが重要です。以下の表は、年収の目安です。

スクロールできます
属性分類詳細年収目安(万円)
経験年数別0年約306
1~4年約369
5~9年約402
10~14年約447
15年以上約501
施設種類別病院(一般)350~450
クリニック350~400
訪問リハビリテーション施設500~700
介護老人保健施設380~450
施設規模別10~99人約431
100~999人約417
1000人以上約473

年収600万円の壁を超える!具体的な給料アップ戦略

年収600万円の壁を超える!具体的な給料アップ戦略

自身の市場価値を把握したら、次はいよいよ具体的な行動です。適切な準備と戦略が、収入アップの可能性を大きく広げます。

現職で収入を上げる「給与交渉術」3つのタイミングと伝え方

給与交渉を成功させるには、タイミングと準備が不可欠です。

  • 交渉のタイミング
    • 現職の場合:人事考課の面談時や、大きなプロジェクトを成功させた直後などが効果的です。
    • 転職の場合:正式な内定通知を受け取った後、承諾する前がベストタイミングです。
  • 効果的な伝え方
    • 自身のスキルや具体的な実績を数値で示しましょう。例:「〇〇の導入で患者満足度が△%向上した」など。
    • 具体的な希望額と、その根拠を論理的に説明することが重要です。

高収入求人の探し方と転職エージェントの賢い活用法

高収入のポジションは、待っているだけでは見つかりません。戦略的な職探しが求められます。

  • 専門特化型転職エージェントの活用理学療法士専門のエージェントは、非公開求人や市場の給与相場に詳しく、給与交渉を代行してくれる場合もあります。
  • ターゲットを絞った検索求人サイトで「年収600万円以上」「管理職候補」といったキーワードで検索し、効率的に情報を集めましょう。
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キャリアアップの鍵!認定・専門理学療法士資格の戦略的活用

認定理学療法士や専門理学療法士といった資格は、専門性を客観的に証明し、高待遇のポジションへの道を拓く上で非常に重要です。

  • 認定理学療法士:特定臨床分野での実践能力を証明します 。資格手当が支給される施設もあります。
  • 専門理学療法士:より学術的で希少性が高く、研究職や教育職、高度専門職へのキャリア展開に有利に働きます。
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これらの資格は、単なるスキルアップだけでなく、市場価値を高めるための戦略的な投資と捉えることができます。

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他にも心リハ指導士や糖尿病療養指導士なども有効な資格ですね!

大学院進学(修士・博士)は給料アップに繋がるのか?

日本の一般的な臨床現場において、修士や博士の取得が直接的な給与増に結びつくケースは残念ながらほとんどありません。給与体系が診療報酬と連動しているため、学位が報酬に反映されにくい構造があるからです。

ただし、大学教員や研究職、企業の高度専門職を目指す際には、これらの学位が必須または非常に有利に働きます。

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大学教員の場合、昇進(助教→講師など)に伴って一気に100万円upなども期待できます。

高収入「勝ち組」へのキャリアパス!多様化する働き方

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伝統的な病院勤務以外にも、理学療法士が高収入を実現できる道は数多く存在します。

年収600万円以上を狙える!「訪問リハビリ」という選択肢

在宅医療への需要拡大に伴い、訪問リハビリテーションは今最も注目されている分野の一つです。

論文など学術的な実績がなかったり、特別な手技や臨床経験が多くない場合は最も高収入を期待できやすいでしょう。

給与水準が比較的高く、訪問件数に応じたインセンティブ制度を導入している事業所では、自身の努力次第で年収600万~700万円以上も十分に可能です。例えば、ある訪問看護ステーションでは初任給が年収620万円以上という事例も報告されています。

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安定と高給与を両立する「管理職・大学教員」への道

病院で勤務するPTが最も堅実に目指す道と言えば管理職(主任や技師長)でしょう。

  • 管理職:臨床経験を積み、リハビリテーション部門の責任者(科長、主任など)になることで、年収500万~700万円程度が期待できます。ただし、ポストが限られているため競争は激しいのが現実です。
  • 大学教員:次世代の育成や研究に携わる道です。准教授クラスで年収約677万円、教授クラスでは年収1000万円を超えるケースもあります 。修士号や博士号といった学位が有利に働きます。
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僕の知っている大学では助教で600万~という募集もありました!

臨床からビジネスへ!医療関連企業で年収800万円を目指す

医療機器メーカーや製薬会社、ヘルスケアIT企業などでは、理学療法士の専門知識を活かせる職務が増えています。専門性に加えビジネススキルも求められるため、年収600万~800万円といった高待遇の求人も少なくありません。

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自分の城を築く!「独立開業」の可能性と厳しい現実

理学療法士には単独での「開業権」は認められていませんが、整体院やコンディショニングサロン、デイサービスといった形で独立することは可能です。

成功すれば年収1000万円以上も夢ではありませんが 、経営スキルや集客力が不可欠であり、廃業に至るケースも多いという厳しい現実も理解しておく必要があります。

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収入の柱を増やす!理学療法士におすすめの「副業」とは

本業の傍らで副収入を得ることも、現実的な年収アップの手段です 。

  • セミナー講師
  • 非常勤での臨床業務
  • パーソナルトレーナー
  • ウェブライターやブログ運営

副業を始める際は、本業の就業規則を必ず確認し、確定申告などの税務処理も忘れないようにしましょう 。

PTの資格を活かした副業をするならば、どれをやるにしてもスキルや実績がある程度ないと収入upは難しいので、若手の方や経験が浅い方は、まずは目の前の臨床を一生懸命することをおすすめします。

まとめ:理学療法士として主体的にキャリアを築き、経済的成功を掴む

短期的な収入増だけでなく、持続的な成長のためには、長期的な視点でのキャリア戦略が不可欠です。認定・専門理学療法士の取得や、新たな臨床技術の習得など、生涯にわたる学習が自身の価値を高め続けます。

また、日本の医療制度は常に変化しています 。予防医療や地域包括ケア、オンラインリハビリなど、新たな流行をとらえると力が求められます。

標準的な治療を提供するだけでなく、いかに「付加価値」を創出できるかが、将来の経済的成功を左右するでしょう。

標準的な治療ができるのはある程度当然求められるので、まずは基本的な理学療法が遂行できることを目指しましょう。

本記事で紹介したように、理学療法士が年収を向上させる道は一つではありません。自身の強み、価値観、ライフプランに合致した道筋を見出し、主体的に行動することで、理学療法士としての輝かしい未来を自らの手で築き上げることが可能です。

理学療法士の給料は安い?年収の現実と600万円達成への道

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この記事を書いた人

理学療法士、医学博士│急性期病院、大学病院、大学教員、クリニック勤務歴あり│数回の転職やバイトで得た経験を元に、理学療法士が転職する道のりをサポートします!

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